どうも!自宅周辺探検家のコバヤシモンドです。
日常生活に疲れた時など、どこか知らない世界に行ってみたい…と思うことってありますよね。そんな時に、ぶっ飛んだ旅を体験した気になれる本のご紹介です。
コバヤシは以前から本を読むのはまあまあ好きですが、いわゆるジャーナリズム的な「ルポタージュ」ものはほとんど読んできませんでした。
ところが、数年前にある作品に出会ってから、その作家の大ファンになってしまいました。
その人は高野秀行先生です。
先生という敬称が適切なのですが、もはや高野秀行くんと呼びたいくらいリスペクトしています。
ノンフィクション作家:高野秀行の略歴
高野秀行先生は1966年生まれ。子供の頃は病弱でまじめでおとなしい子だったと本人は語っています。
頭角を現しだしたのが早稲田大学に入学し、探検部に入部してからのこと。
3年生の時に探検部の遠征隊を率いて、当時は先進国による調査がほとんどされていなかったアフリカ・コンゴの奥地に向かいます。
目的は未確認生物「モケーレ・ムベンベ」を探すこと。
その時の体験が初めての本『幻獣ムベンベを追え』として出版されます。
その後も大学生を7年生までやりながらアマゾン川を遡ったり、コロンビアに幻の幻覚剤を探しにいったり。
卒業後はタイで日本語教師を務めたかと思えば、1年で退職しフリーの作家に転身。
その後は各地の未知のモノを探しては本を書くという、やたら退屈しない人生を送ります。
ご本人は自らを「ノンフィクション作家」とさらっとした肩書きで紹介していますが、探検家もしくは冒険家と言ったほうが適切な気がします。
はたから見ればすごいことをやっているんですが、なぜか軽いタッチで気楽に読める。それでいてめちゃくちゃ面白い。
知人に紹介すると、「活字で腹を抱えて笑ったのは初めて」といい、コバヤシ以上のファンになってしまいました。まだコバヤシが読んでいない作品まで先取りしています。ぐぬぬ…
今回は、まだ高野先生の作品に触れていない人にまずは読んでほしい3作を厳選しました!
謎の独立国家ソマリランド
こちらはコバヤシが初めて触れた高野先生の作品です。予備知識は何もなく、まあジャケ買いみたいなもんですね。
明らかにハイパーインフレを感じさせる謎の札束を持ったおっさん。いかにも謎なタイトル…
コバヤシの好奇心を誘うには十分でした。
というか、ソマリランドってなに?って感じです。
シーランド公国のように、個人が「ここは俺の国だ」とか勝手に宣言しただけだろう…とか思って読んだんですがマジで存在しました。
日本では「ソマリア連邦共和国」として一つの国とされている国家がありますが、内戦で事実上3つの国に分かれてしまっています。
国際的にもそれぞれの国は独立国家として承認されていないので、当然日本も認めるわけにはいかないのでしょう。
「奇跡の平和国家ソマリランド」「海賊国家プントランド」「戦国南部ソマリア」が高野氏が分類した3国です。
ネーミングだけでもショッキングですが、日本でも実情を知っている人がほとんどいない場所。
そんな所に単身で乗り込んでしまう人を、探検家でなく作家と読んでいいのでしょうか。
読み進めるともっとヤバい。
カートという覚醒作用のある植物に半ば依存症になり、お金が儲かる仕組みを知ってつい海賊のオーナーとして起業しそうになったり、日常的に銃声が鳴る戦国の町を地元TV局と走り回ったり…どれも作家がやることじゃないです。
しかし、ただのムチャな探検家でないことも読めばわかります。
現地の歴史の教科書が作れそうなくらい徹底した調査と洞察力で謎の3国の成り立ちを解き明かしたかと思えば、「ソマリランドのメシは異常にうまい」といった我々一般人にとっての重要情報も引き出してくれます。
この本はまさにこの人しか書けない。「こんなすごい作家がいたのか…」と感動した一冊でした。
アヘン王国潜入記
「ソマリランド」で「なんてすごい人だ…」と感動したコバヤシですが、この作品では
「この人、大丈夫か?」
と心配になりました。これは高野先生が30歳前後と若い頃の本です。しかし、いくら若いからって普通アヘンを栽培しに行きますか?
当時、麻薬の世界的生産地であったミャンマー北部の反政府ゲリラの支配地。しかし、「麻薬を作っている人たちは本当に悪い人たちなのか?」を確かめるために現地に飛んだ高野先生。
こういう危険な取材じたい冒険ですが、取材どころかアヘンの材料であるケシの種まきから収穫まで住み込みで7ヶ月みっちり働いてきます。
なんかそれだけで笑っちゃいますね。いや、すごいことしてるんですが、笑っちゃいますね。
しかも、収穫の後にもらったアヘンにハマってしまい、現地の村人も引くくらい依存症になってしまいます。
もう、何が何だかわかりません。
しかし、ケシの育て方から収穫、アヘンの吸い方に効能まで実体験を踏まえて記録した文献は貴重なものとなるでしょう。
何より、現地の人たちの生の声と生活は7ヶ月も一緒に暮らした高野氏にしか書けないものです。
うん。やっぱりすごい人だ。
怪魚ウモッカ格闘記※ネタバレ注意
「アヘン王国」でもやはり感動と驚きを届けてくれた高野氏ですが、この作品ではさらなる驚きを与えてくれました。
いや、今までとは違う意味での驚きですが。
インドで目撃された怪魚「ウモッカ」。ウモッカというのも仮名で、専門家に聞いてもこんな魚は聞いたこともないとのこと。
この未知の怪魚「ウモッカ」を探しにインドの寒村まで旅立とうという本なのですが…
結論から言うと行ってません。
以前行った強行取材のせいで、インドの空港で入国拒否されてしまいました。
しかし、もう作品の連載は始まっているという危機的状況に見舞われます。結局、空港で何日も拘束されたのちに日本へ強制送還となります。
そこで何とか再入国を果たそうと、あれやこれやと奔走します。これがこの作品のメインです。ウモッカとは全く格闘しません。
パスポートの名前を変えるために奥さんといったん離婚して別の女性の婿になろうとしたり、実は「秀行」はヒデユキじゃなくシュウコウと読むんです、といって名前自体を変えようとしてしまったり、ムチャクチャです。
しまいにはやることがなくなって借りた映画DVDの感想を書き出したりして「何じゃそりゃ!」と突っ込みたくなる展開。
しかし、その過程すべてが作品になってしまうという面白さ。
上にあげた2作と比べると完全にギャグ作品としか思えません。
最終的にインドに行けずに終わりました。普通ならボツでしょ、この本…
ただ、それでも面白い。面白すぎる。
やはりこの人はすごい人だ…
追記:間違う力
この本は上にあげた本とは違って、いわゆる自己啓発書?にあたるものです。
「?」をつけたのは普通の自己啓発書とはちょっと趣が違うからです。
いくつか章のタイトルを書いてみましょう。
はい。もうエンターテイメントですね。
これは仕事や人生を頑張るための本ではありません。癒しの本です。
刊行当初はあまり売れなかったらしく、高野先生本人は「この『間違う力』という本を出したことが間違いだった」と笑わせてくれます。
人々は日々の生活において「間違ってはいけない」というプレッシャーと戦い続けています。仕事でも、プライベートでも…
でも、間違うことにも価値はあるし、間違ったおかげで大成功することだってある。
間違うことは恐れるにたらず。間違って面白いことになればそれもよし!
そんな気分にさせてくれる本です。
人生に疲れた時に、一度手に取ってみてください。
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人生、意外となんとかなる
ビジネスで成功している人の本を読んだりすると、「オレはこんなことしてていいのだろうか…」と焦る気持ちが出ることもあります。
しかし、高野先生の本は「人生なんとかなるもんだなあ」と真逆の感想が出てきます。
いうなれば、競争社会である現代に現れた一つのオアシスです。
コバヤシはぜひ「自分はどう生きていけばいいのか」と迷っている若者に読んでほしいですね。これが答えとはいいませんが、ひとつのヒントになると思います。
縛られずに生きることもできる、とにかくジタバタしてみれば道は開ける(インドへの道は開けませんでしたが)と思うことができます。
会社に守られる代わりに縛られて生きるか、起業家として資本主義社会に打って出るか。
そのどちらでもない生き方というのも可能なのかな〜。と考えるコバヤシです。
コメント
はじめまして!!自分も福井在住です。
zozoデニムの記事から飛んできました‼自分も高野先生大好きで全巻持っています。特にコロンビアの話が気に入っています。
これからも記事楽しみにしていますねー^^
嬉しいコメントありがとうございます!泣けます
同じ福井人でしかも高野ファンとは。コロンビアは「幻の幻覚剤」の話ですかねー?高野先生にしか書けない名作ですね!
これからもお願いします!!
そうです‼アヤワスカ‼一度試してみたいものです笑
福井の人が書いていると知ってテンションあがって思わずコメントしてしまいましたー‼
自分も木工やDIYが好きで、ちょこちょことハンドメイド作品なども製作してますー^^
インスタグラムされてたらのぞいてみてください♪
Instagram high_on_life_kazu73
こちらも地元の人に反応いただいてテンションUPです!
インスタ見ました!しゅごい…DIYというかプロ級じゃないですかw 波待ちチェアとかメチャカッコEです!オンラインショップもやってるんですね!
コバヤシも実はひっそりショップやってたり…
>>>工房DELTA
サボって放置しすぎのため非公表(笑)