毎度。コバヤシモンドです。
哲学なるものに興味があるけど「何から始めていいかわからん」という人も多いと思います。
とりあえず適当な本を手にとってみたのはいいけど、全く理解できなくて挫折…というのは哲学初心者あるあるですな(コバヤシのことです)。
で、とりあえず入門書に手を伸ばしそうになるのですが
「哲学入門」の本はやめとけ
とコバヤシは思います。
詳しくはあとで書きますが、入門書は基本的に面白くないのでオススメしません。
というわけでこの記事では哲学をはじめてみたい人が挫折しないおすすめ本をご紹介していきます。
哲学入門の本をおすすめしない理由
コバヤシがはじめて哲学なるものに触れたのが大学生の時。
なんとなく受講した「哲学入門概論」の講義で、先生が自ら執筆した哲学入門の本が教科書だったのですが
これがクッッソつまらなかったんですね
で、大学生時代のコバヤシの哲学は終わりました(笑)。
先生が悪かったとかいうわけじゃなく「哲学入門」の本というのはいくつか読みましたが、たいがい面白くはないです。
要するに哲学入門の本は哲学ではなくて哲学の解説書のようなもの。「哲学すること」と「哲学について勉強すること」はまた別の話なのですね。
サッカーをプレイするのとサッカーの解説を聞くのでは楽しさは違うのと同じです。
なので、哲学を始める時は「哲学入門」の本でなく普通に哲学者の書いた本を読めばいいと思います。
コバヤシは社会人になってから何気なく哲学者の書いた本を読んだのですが、これがまた面白い。
時間のある大学生時代に知っていれば…と思ったものです。
これを読んでいる人の中には哲学に興味を持って、今からはじめてみようという学生の方もいるかも知れません。
ぜひ、コバヤシのような挫折をせずに最初から哲学の面白さを味わっていただければと思います。
※哲学の本を無料で読みまくる方法
哲学の本を読むのはハードルが高そうに感じるかもしれませんが、古典の名作を読みやすい言葉で現代に蘇らせている「光文社古典新訳文庫」というのがあります。
カントやニーチェなどもあり、コバヤシがこの人たちの難しい本を読めたのはこの新訳のおかげと言えます。
光文社古典新約文庫はその多くがKindle Unlimitedの読み放題対象タイトルとなっているので、1ヶ月の無料体験の間に読みまくれるのでおすすめです。
プラトン
ミスター哲学者ことソクラテスの弟子、プラトン(紀元前427〜紀元前347)。
プラトンはソクラテスを主人公とした「対話編」という物語調の本を書いています。
対話編ってどういうこと?
こうやってセリフで話を進めていくことだよ
なるほど。固い論文と違って読みやすいね
世界でも最初期の哲学書を書いていますが、非常にわかりやすくてエンタメ性に溢れています。
プラトンの弟子アリストテレスが学者・研究者だとすればプラトンは教育者。いかに読む人に「自分の頭で考えさせるか」というテーマで本を書いているように思えます。
ソクラテスの弁明 【関西弁訳】
プラトンの代表作「ソクラテスの弁明」。
「若者を惑わせた罪」という罪状で告発されたソクラテスが裁判所で答弁する様子を描いた本です。
当時のアテネは民主主義で投票によって物事を決める一見まっとうな社会ですが、その民主主義と大衆の正義の限界を示すような作品です。
正義とはなんなのか?
自分で考えるとは?
民衆の総意とは正しいのか?
ソクラテスの選択は正しかったのか?
民主主義の限界が見えてきている、と言われる現代にこそ今一度しっかりと見直されるべき名著です。
そんなに長くない本ですし、関西弁でカジュアルな雰囲気(内容はオリジナルと同じ)でとっつきやすい一冊です。まさにはじめての哲学におすすめ。
他には純粋にソクラテスと相手の口げんか(?)を描いた『プロタゴラス』『メノン』も面白いです。
ショーペンハウアー
ドイツの哲学者、ショーペンハウアー(1788〜1860)。ショーペンハウエルと表記されることもあります。
コバヤシのイメージでは「皮肉屋でひねくれ者、でも現実を誰よりも見ている人」という感じです。
詩人ゲーテは会った当時25歳だったショーペンハウアーの才能を高く評価していたといいます。
ベルリン大学の講師時代、意図的に当時人気絶頂だったヘーゲル(超有名哲学者)と同じ時間に授業を行い対抗意識を見せるも、全く生徒が集まらず完敗→落ち込むという面白い人でもあります。
一部では高い評価を受けながら、晩年まで名が知られることもなく本も全然売れなかった苦労人だけに、その人生観にはリアリティーと達観性を兼ね備えています。
幸福について
ショーペンハウアーの代表作は『意思と表象としての世界』ですが、難しいので初心者向けではありません。
ここで紹介する『幸福について』は哲学書と言うよりはエッセイに近い感覚で読めます。
「人は幸せになるために生きている」がそもそも思い込みである。
他人と自分を比べて周りの評価を気にする人生こそ不幸だ。
ヘーゲルに思いっきり対抗意識もやしてたのは誰や
というツッコミはさておき、どうすれば心やすらかに生きられるか?を語っています。
ツイッターで同世代のキラキラ成功者たちを見て凹んでいる人たち(ワイのことかぇ)にぜひ読んでほしい一冊です。
ショーペンハウアーはけっこう口が悪く、気に入らない物事や人はズバズバ切っていくタイプの人なので、読んでいて痛快でもあります。
多分、笑いのセンスも高かった人じゃないかな〜というのはコバヤシの想像です。
ちなみに『幸福について』はけっこう長い本ですが、もっとカジュアルにショーペンハウアーの思想に触れたい人は『読書について』もおすすめです。
マルクス・アウレリウス
ローマ帝国の皇帝でありながら哲学者としても名を知られたマルクス・アウレリウス・アントニヌス(121〜180)。
といっても本業は超忙しい皇帝なので、学者として講義をしていたわけではなく個人的に哲学を人生に取り入れていた、という具合です。
マルクス・アウレリウスが学んでいたのは「ストア派」と呼ばれる哲学の一派で、禁欲的で自分を律する行儀の良さが特徴です。
欲望に負けずに自己コントロールをしっかりしようぜ、というものですね。
この思想のおかげか、マルクス・アウレリウス時代のローマ帝国は政情がとても安定していました。
自省録
『自省録』はもともと出版目的で書かれた本ではなく、マルクス・アウレリウスが個人的に書き溜めていたツイート的なものを後からまとめたものです。
多忙な政務の中、夜な夜な(夜かどうかは知らんけど)自分に向けての戒めを書きつづっていたとのこと。
厳しい説教を自分に聞かせているようでもあり、マルクス・アウレリウスの実直な性格がよくわかります。
なかやまきんに君が自分の筋肉に語りかけているのに近いかも(違うか)
長い文章もありますが、基本的にはTwitterくらいの短い文なので隙間時間にちょっと読み進めることができます。
中でもコバヤシのお気に入りの一節を引用。
苦いきゅうり。捨てるがよい。路上のいばら。脇によけるがよい。それで十分である。その上に言い加えるな、「いったいなぜそんなものどもが宇宙のうちに生じたのか」と。
マルクス・アウレリウス『自省録』講談社
問題が起こったら黙って解決すればいい。後からグダグダ文句をいう必要はない、といったところでしょうか。
自動販売機でおしるこのボタンを押したらコンポタが出てきて激おこなコバヤシはまだ未熟ということですね。
コバヤシが読んだのは講談社学術文庫のですが、岩波文庫の方が読みやすいという評判をみたのでリンクは岩波文庫にしておきます。
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有名どころだけど初心者は避けた方がいい人たち
哲学のことをよく知らなくても名前くらいは聞いたことがある、超ビッグネームな人たちがいます。
アリストテレス、カント、ヘーゲル、ニーチェ、etc…
いずれも素晴らしい哲学者ですが、初心者が最初に読むのはやめときましょう。
難しすぎます。
アリストテレスはカタいし、カントの純粋理性批判は難しい上に超長いし、ヘーゲルはちょっと何いってるか分からないしニーチェはぶっ飛んでるし。
実は、おすすめに挙げた3つはどれも体系的に論理立てた哲学書ではありません。挫折しないために読みやすさと面白さを重視して選びました。
おすすめ3冊を読んでもっと哲学にハマりたい!となったらぜひ彼らビッグネームの本を読んでみてください。
ちなみにコバヤシはニーチェ以外は挫折したよ
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