ども。メンテナンスマニアのコバヤシモンドです。
みなさん、靴を大事にしていますか?
買った時はキズ一つでも気にしていたのに、時間がたてばほったらかし…という人も多いのではないでしょうか。
コバヤシは割と物持ちがよいほうなので、特に革製品は定期的にクリームを塗るお手入れをしています。
ですが、さすがに8年も履いているとアッパー(靴の表側の革の部分)以外にもいたるところにダメージが出ています。
新しいの買えよと言われそうですが、貧困層寄りの低所得者層に属するコバヤシにはモノを大切にする精神が強く、何かを捨てると祟られそうな恐怖があるのです。
と、いうわけで、意地でも履き続けたいアナタのための革靴復活作戦のレポートです。
修理部分を確認
今年で生誕9周年を迎えるパドローネのダービープレーンシューズさんです。人間でいうと68歳くらいでしょうか。逆に考えると、今年68歳のおじいさんはダービープレーンシューズでいうと9歳ということですね。
革の手入れは定期的にしているので、キズは別としていい感じのしっとり感とツヤは保っていると思います。
ただやはり革底はすり減って中のインソールもかなり凹んでいます。クッション性は皆無に近い状況です。この靴はもともと履き心地がすごく快適でお気に入りだったのですが、年には勝てないといったところでしょうか。
また、細かいところでは靴ヒモも靴の劣化を感じさせるところです。細かいところに加齢のサインが出るのは人間も同じですね。
今回の修理箇所は
それでは、作業に入りましょう。
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靴底にラバーソールを追加
この靴の革製の靴底ですが、はじめのうちは歩くときのコツコツ感や見た目の美しさが誇らしく、チラッと見えるように普段より足を強めに蹴りあげながら歩いたものです。
おかげでこんなに歩きやすい靴なのにかなり疲労が溜まりました。どうしてくれるんですか。
また、革底は雨に非常に弱いです。
革なので水に濡れると傷みやすい上に、表面がなめらかなのでコケやすいです。コバヤシは30メートル歩くあいだに2回コケたことがあります。
特に雨の日のショッピングセンターの入り口は一撃必殺の威力があります。みなさんも気をつけてください。
以上を踏まえて、解決法としては底にラバーソールを追加する、ということにしました。革底とグッバイするのは名残惜しいですが、実用性アップのためと割り切りましょう。
信頼のビブラム社製ハーフソール。ロゴが滑り止めになっている。[/caption]
用意するのは世界的靴底メーカー、ビブラム社のハーフソール。ハーフなので、靴底の真ん中からつま先にかけてをカバーします。
サイズがいくつかあるようですが、大した金額の差はないですし、後からカットする必要があるので大きめを買うとよいでしょう。
ソールの貼り付けには靴用接着剤も必須です。コバヤシは靴修理用で定番の「ダイアボンド」を使いました。
必要量は、ハーフソールを1ペアで上の商品の5〜6割を使いました。
2足くらいまとめてやる人はダイアボンド1つでは足りなくなる可能性があるので、念の為2つ用意しておいたほうがいいと思います。
下準備のサンディング
では、靴底のホコリや異物を取り除いた後、ハーフソールに付属している紙やすりで靴底とハーフソールの裏をサンディング(やすりがけ)します。
これは表面のデコボコをなくしつつケバ立たせて、接着剤をより密着させやすくする作業です。
ヤスリをかけ終わったらブラシなどで粉を取り除き、いよいよ接着に入ります。
接着剤を靴底に塗る
靴底とソールの貼り付け側にたっぷり接着剤を塗ります。コツはヘラ状のものを使って均一にならすことです。歯ブラシなんかでもいいみたいです。
塗る前にハーフソールを靴底に合うようにあらかじめカットしておくという人もいるようです。
が、ギリギリにしておくとずれた時に取り返しがつかなくなるのでそのままのサイズで使った方が安心です。
大きい分には後から切り落とせば良いのです。
均一に塗ったら、30分くらい放置とのこと。放置されると苦痛ですが、放置するのはなんとも思わないので、このまま待ちます。
しかし、途中で触ってみても、指に付く力も弱く、全然くっつきそうな感じがしません。大丈夫でしょうか。お互いに求め合っている感じがしないカップルのようですが、本当に大丈夫でしょうか。
ソールと靴底をはり合わせる
30分経過。さっきより粘着力が弱まっている気さえしますが、本当に本当に大丈夫でしょうか。ごはんつぶのほうがまだマシな気さえします。
しかし、説明通りの手順で間違いないはず。意を決して「エイヤッ!」と合わせてみます。
おおっ!?ちょっと合わせただけでなんという接着力でしょうか!ずらすことも剥がすこともできません。
さっきまでの態度は一体なんだったのでしょうか。冷めたふりして実は強い絆で結ばれていたカップルのようです。全く腹立たしいことです。
次に、接着面をまんべんなくハンマーで叩いていきます。
どのくらいが適当かよくわからないので、ひたすら叩きます。靴底とハーフソールの関係に対する嫉妬が叩く手に力を与えてくれます。
ふちの部分は特に剥がれやすそうな気がするので入念に叩きます。糸を引いた隙間が見えなくなるまで密着させればいい頃合いでしょう。
しっかりくっついたら、一晩放置します。
ソールのはみ出た部分をカット
一晩たって乾いたら、余分な部分をハサミとカッターで切り取ります。細かいバリはヤスリで取りましょう。
ぴったりとラバーソールが装着されました!近くで見れば後付けだとわかるかもですが、履いていて見苦しく見えることはまずないでしょう。
これで靴底の復活は完了です。
インソールの追加
次に、凹みまくった内部にインソールを導入します。ここで問題になってくるのがデザインと機能の問題です。
ほとんどの後付けインソールは、運動パフォーマンスの向上を目的としているためか、スポーティーな素材と見た目のものが多いです。
「歩くことが多いビジネスマンにも!」というようなキャッチフレーズも見受けられますが、黒の革靴を脱いだら蛍光グリーンの底が出てくるような営業マンを僕は信用しません。
それに、無数にあるインソールの中から、長時間履いてもっとも疲れない一品を探すことも限りなく困難に思えます。そんなのは、ドラゴンボールで天津飯に倒された敵を探すようなものです。
追記:こんなことをほざいていて恥ずかしい限りですが、後日機能性インソールも試してみました。やっぱり楽なのはこっちですね。
と、いうわけで今回は見た目に絞って選定したいと思います。履き心地も何もないよりはよいでしょう。
選んだのはこちら。ペダックのレザーインソール。
素材は豚革。実物を見ると毛穴が多く若干キモいですが、その分通気性は良さそうです。
なお、革のインソールを選ぶときは特にロゴマークに気を付けたほうがよいでしょう。ロゴマークが目立つとナゾメーカーの靴に変身してしまいます。
こちらは控えめで、いい感じです。
ぴったりと収まりました。見た目は違和感なしです。
このまま履くと中でインソールがパカパカと暴れるので、両面テープで貼りつけてしまいました。いずれはがれるでしょうが、足の形にフィットするまで持てばOKです。
靴ひもの交換
実はいちばん気を抜きがちなのが靴ひもでしょう。調べてみると実に色々と種類があります。せっかくなのでいっちゃんええやつを購入してみましょう。
約1000円。激安の靴なら買えちゃいます。端っこの留め具が金属製で高級感があります。
触った感じはまさにロウソクを刷り込んだようにしっとりしています。
とりあえずもとの靴ひもと同じように穴に通します。
これで完成です!つけてみたら違いがわかる靴ひもです。
しっとりしててほどけにくい。コシがあって結んだ時の形が実に美しい。
たかが靴ひも、されど靴ひも。やはり高いものはよかったです。
復活した革靴レビュー
これで、今回の意地でも履き続けたいアナタのための革靴復活作戦は完了です。
まずは復活前後で比べてみましょう。
なんということでしょう。靴ひも以外の違いがわかりません。コバヤシの計画性のなさが露呈し、beforeがよくわかる写真を撮り忘れました。
というわけで、見た目は置いといて履き心地を報告します。
3日ほど履いてみた結果、最初は馴染んでいなかったインソールも、1日で足と靴にいい感じにフィットしてくれました。通気性も向上したのか、靴下のムレ感もほとんどありません。
ラバーソールも、少し足音は変わりましたがグリップ力も良好で、これならもうコケることはなさそうです。インソールと合わせてクッション性も上がって往年の履き心地を取り戻した…というより良くなっています。
結論。意地でも履き続けたいアナタのための革靴復活作戦、成功です!実用性ももちろんですが、やはり自分で手間をかけた道具というのは愛着もひとしおですね。
みなさんも、愛用していた靴を処分する前に一度試してみてはいかがでしょうか?
ボロボロなだけでなく、靴にカビが生えてしまった!という方はこちらもご参考に
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