こんにちは。海のアイドル、コバヤシモンドです。
最近、amazonプライムビデオで自然の番組にハマっています。
特に、「海」の特集でいちばん多く登場するある生き物に恋い焦がれています。
クジラ、ペンギン、サメ、マンタ…
みんな素敵ですが、全部違います。
毎回決まって名前が出るのはオキアミです。
しかし、番組内でオキアミについて深く掘り下げられることはありません。こんなに毎回登場するのに、コバヤシにとっては謎の生物なのです。
なぜ、番組はオキアミについて解説してくれないのでしょうか…
そこで、今回はこのオキアミさんについてリサーチをしてみました。
オキアミのイメージ
最弱の生物?
名前は毎回登場しますが、オキアミをクローズアップした回は見たことがありません。
そう、彼らについて番組が教えてくれるのは
「喰われる」
という事実だけ。
- アザラシは普段オキアミを食べるが、脂肪の味を覚えてペンギンを襲うようになった。
- ジンベエザメはオキアミの群れを見つけて食べに集まる。
- 海鳥はジンベエザメが集まっているのを目印にオキアミを食べに来る。
とにかく喰われます。数トン単位で喰われます。
番組中では生物というより食品としか見られていないのではないでしょうか。
番組中の「オキアミ」という言葉を「パン」とか「ごはん」に変えても文脈的には破綻ないような感じですね。
人間にも食べられます。釣り餌にもされます。
検索をかけてみる
そもそも、オキアミとはなんなのでしょうか。まずは検索で調べてみることにしましょう。
比較のために、まずは海の人気者ジンベエザメにご登場いただきます。
ジンベエザメ
堂々たる泳ぎを披露する写真が並べられています。いかにも海の主といった風情ですね。
これを子供たちに見せたパパは水族館に連れて行ってとせがまれてしまうでしょう。
海の神秘と生命の力強さを同時に感じられる、素敵な検索結果となっています。
では、続いてはオキアミにご登場いただきましょう。
オキアミ
食品ですねコレ。
くくりも「甲殻類」とかでもなく「魚介類」ですよ。
これを子供達に見せたパパは、食品スーパーに連れて行ってとせがまれることでしょう。
海の恵みと日本の食文化のバリエーションを同時に感じられる検索結果となっています。
うん、これはあまりにもひどい。神はなぜ彼らを創りたもうたのか。
しかし、この世界に生きている以上、オキアミにもそれなりの長所があるはず。もう少し調べを進めてみます。
生物としてのオキアミのポジション
エビではない
ぱっと見はエビのようですが、生物学的にはエビとは近くないようです。
エビとの違いは
- ハサミがない
- エラが殻に覆われずにむき出し
- プランクトンの一種
というところ。
プランクトンというのは自力で移動する力が弱く、基本的には潮の流れに乗りつつ浮いたり沈んだりを調整するくらいの活動をしているようです。
大きくなれば6cmくらいになるそうです。プランクトンというのはミジンコみたいな微生物とばっかり思っていました。
それだけでかくなるなら自力で泳げよと言いたくなりますね。
寿命はなんと6年にもなります。それまでに喰われなければですが。
もっとも成功している動物?
自発的に活動せず、喰われっぱなしで抵抗すらできず、ひたすら流れに身をまかせるオキアミですが、一方でwikipediaにこんな記述もあります。
南極の生態系のキーストーン種であり、バイオマス(およそ5億トン)でいえば、この惑星で最も成功している動物であるといわれている。
参考:wikipedia
この惑星で最も成功しているとな?
これほど喰われる生き物も珍しいですが、それでもこの惑星で最も成功しているとは一体どういうことでしょうか。
バイオマスというのは、生物の勢力をあらわす一つの指標で、
特定の時点においてある空間に存在する生物(bio-)の量を、物質の量(mass)として表現したものである。通常、質量あるいはエネルギー量で数値化する。
参考:wikipedia
なんか難しい言い回しです。要するに1匹の大きさや個体の数ではなく、種のトータルの重さで生き物の勢力を判断するということですね。
間違ってたらご指摘ください。。
たとえば、5㎏のネコと5000㎏のゾウがいるとします。
世界にこのネコが1,000匹とゾウ1頭がいるとすれば、トータルの重さが同じなのでバイオマス的に同じ勢力。
ネコ3,000匹とゾウ2頭ではネコの方が優勢ということになります。
この考え方で、オキアミはこの惑星で最も成功しているらしいです。
むむ…これだけ喰われても、なお地球最大の勢力を誇っているというわけですか。宇宙人からみれば、地球の支配者は人間ではなくてオキアミなのかもしれません。
ちなみに、キーストーン種というのは「いなくなると生態系に大きな影響を与える種」のことです。
オキアミがいなくなると、海の食糧源の大きな部分が消滅することになりますから、これは当然ですね。
最弱の生き物かと思って調べ出したオキアミですが、意外や意外、この星の生態系を語る上ではもっとも重要な種だったのです。
これでは、ジンベエザメもマッコウクジラもペンギンも、オキアミ様には頭が上がらない…
そんなことないか。喰ってるし。
というか、種として成功者だと言われても、喰われてる奴からしたら関係ないですよね。
それでもみなさん、オキアミについてもっと考えてみませんか?NHKやBBCもたまにはオキアミのような日陰者にもスポットを当てた番組をお願いします。
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まとめ:オキアミの地位向上を目指そう
とはいえ、検索結果からもわかるようにオキアミに対する世間のイメージは偏見に満ち溢れています。
コバヤシがいくら訴えてもオキアミを食品でなく海洋生物として見ている人など存在しないのではないか…
と思っていると、なんと世界で唯一ナンキョクオキアミを展示している水族館が日本に存在するというではありませんか!
世界で唯一!オキアミを展示する水族館
愛知県にある名古屋港水族館では世界で唯一展示しているというだけではなく、世界で初めて繁殖にも成功しているとのことです。
ホームページにも「生き物」としてのナンキョクオキアミの躍動感溢れる写真を載せています。
こういうのですよ!コバヤシが見たかったのは!
このようなほとんど一般ウケしない生物にスポットを当てるとは、変わった人情熱に溢れるスタッフがいらっしゃるのでしょうね。
オキアミ白書 〜現在から未来へ〜
オキアミのことが少しばかりわかった今、我々人類は地球の支配者たるオキアミとどのように付き合っていくべきでしょうか。
先の名古屋港水族館のホームページにはこのようなことが書いてあります。
将来は人類の最後の食糧資源として国際的に関心を集めています。
現在ではまだまだ釣り餌としてのイメージが強いオキアミですが、いずれは人類の口を支える重要な役割を担ってくれるかもわかりません。
…結局、喰うんかい。
一方で、オキアミについてこんなネガティブな情報も目に入りました。
驚いたことに、最近の研究で、南極のオキアミの固体数は1970年代から80%も減少していることが分かっている。原因の1つは、地球温暖化による海氷の消滅だと考えられている。海氷が消滅すると、オキアミの主食である海氷藻類が消失するからである
やはり、最強の勢力を誇るオキアミでさえも、地球規模の気候変動にはかなりのダメージを受けているわけですね…。
全人類の質量を合計したよりも多いとされているオキアミですが、さすがにこの減少は心配になります。
未来のことはわかりませんが、願わくば人類にとってもオキアミにとっても幸福な世界であることを願いたいですね。
どちらにしても、オキアミは喰われるでしょうけど。
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