【初心者にもおすすめ】ワトコオイルとは?効果とデメリットを解説するよ

ワトコオイルのボトル DIYの知識
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どうも!オイルフィニッシュ大好きっ子のコバヤシモンドです。

プロの木工家からDIYヤーまで愛用者の多いオイルフィニッシュ用塗料「ワトコオイル」

この記事ではこれからオイルフィニッシュを試してみたい人や、自分で作った木工品の塗装をどうしようか悩んでいる人などに向けてワトコオイルのメリットやデメリットを解説していきます。

具体的な塗り方に関しては別の記事で解説しようと思うので、今回は基礎知識編ということでご参考になればと思います。

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ワトコオイルとは?

まずは

モンド君
モンド君

そもそもワトコオイルって何?

ニスとかとどう違うの?

という疑問にお答えしていきます。

木材の塗装の1つ、オイルフィニッシュ

オイルを塗る椅子

木材は製品化したあと、塗装する必要があります。

バケモンド君
バケモンド君

なんで?無塗装の方が味があるじゃん!

という人もいるかもしれませんが、何も塗装しないと木は防御力ゼロなので汚れるわささくれるわで大変です。木材を製品として使う場合は塗装は絶対必要です。

で、塗装にも色々と種類がありますが

  • テカテカな塗装は嫌だ!
  • 木の質感を生かした仕上げがいい!

という人におすすめなのがオイルフィニッシュです。まさにさっきの「無塗装の方がいいじゃん派」はオイルフィニッシュを選ぶと満足できると思います。

オイルフィニッシュは、空気に触れると固まる油を染み込ませて木材を保護する塗装方法。

ニスやラッカーのように表面に膜を作る塗装方法に比べて「塗った感」が出にくく、ナチュラルなテイストが楽しめます。

そんなオイルフィニッシュを、初心者の人でもほぼ失敗せず簡単にできるのがワトコオイルなのです。

「オイルフィニッシュに使うオイル」と「オイルステイン」はぜんぜん別のものになりますので注意。

詳しくは別の記事「オイルフィニッシュとオイルステインは違うよ。ステインは保護効果なし」も読んでね。

ワトコオイルの概要

ワトコオイルのパッケージ

ワトコオイルはイギリスのWATCOワトコ社が作るオイルフィニッシュ用のオイルです。

もともとはオイルフィニッシュのさかんなデンマークなどの北欧諸国向けの商品として生産されていたそうな。

モンド君
モンド君

70年以上の歴史がある製品とのことですが、どういうわけか正確な発祥は調べきれませんでした…

日本では「北三株式会社」がワトコ製品の正規代理店。

今では(少なくとも日本では)オイルフィニッシュ=ワトコオイルというくらいに圧倒的な認知度をもつブランドとなっています。

無色の「ナチュラル」をはじめとして着色されたカラーオイルもあり、現在8色で展開。好みに合わせた色を選ぶことができます。

参考:北三株式会社 WATCO製品紹介ページへ

オイルフィニッシュ用オイルは「ダニッシュオイル」とも呼ばれます。

Danmarkデンマーク」は「Danerデーン人の地」といった意味で「Danishダニッシュ」とは「デーン人風の」となります。

つまりデンマークでよく使われている → ダニッシュオイルと呼ばれるわけですね。

英語圏ではワトコオイルも「WATCO DANISH OIL」と表記されています。

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ちなみに↑の商品は参考として載せただけでめっちゃ高いので買わないでください(笑)

ワトコオイルの特徴と効果

亜麻仁
亜麻の種子「亜麻仁」。これを絞って油を抽出する。

成分は亜麻仁油あまにゆをベースに合成樹脂や無鉛乾燥助剤(ドライヤー)を独自の配合でブレンドし、オイルフィニッシュの特性である、

  • 乾くのが遅い
  • ニスなどに比べて保護効果がかなり弱い
  • 耐久年数が短い

といったデメリットを大幅に軽減しています。また溶剤も加えることでオイルの粘度を下げ、塗りやすく浸透しやすい工夫もされています。

モンド君
モンド君

伝統的なオイルフィニッシュのいいところはそのままにデメリットを減らし、使いやすく工夫をした製品ということだね

環境対応型塗料

ワトコオイルは

ヨーロッパ規制に基づく「有害化学物質の供給な関する情報および梱包」

英国健康安全委員会の「健康に及ぼす県境規定」において

溶剤およびその他の構成物に有害物質に分類される成分は含有しておりません

と安全性をうたわれています。

モンド君
モンド君

いや難しい

要するにヨーロッパ目線で「オイルや溶剤に有害物質は入っていませんよ、安全な物質でできていますよ」というお墨付きをいただいているわけですね。

ワトコオイル=安全?

ここで気をつけないといけないのは、「溶剤などに有害物質は入っていない」といっているだけで、溶剤自体には多少なりとも害はあることです。

例えとして適切かはわかりませんが、有害物質が入っていないお醤油でも一升瓶でイッキ飲みすればやっぱり死にますよね。

モンド君
モンド君

言葉のトリックだね

もちろん有機溶剤は塗った後に蒸発して消えてしまうのでワトコオイルで仕上げた製品が完全に乾けば安全です。

でも溶剤を飲んだり吸い込みまくったりすれば中毒を起こす危険性はあります。

それを考慮せずにワトコオイルは植物油でできているから安心安全ヒャッハァー!などと宣伝している業者には注意した方がいいかもしれません。

DIYにはどんな作業でも常に危険性を意識して安全を徹底する必要があります。ワトコオイルを使うときにもきちんと換気には気を配るようにしてください。

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ワトコオイルのメリット

なんか怖いことを書いてしまいましたが、ちゃんと説明書通りに使えば危険なことはないワトコオイルです。

ここではコバヤシがおすすめするワトコオイルのメリットをあげていきます。

初心者でも失敗しにくい

DIY初心者にもワトコオイルをお勧めできる最大の理由が、ほとんど失敗する心配がないということです。

詳しい使い方は別記事に譲るとして、一言で説明すると

ワトコオイルの使用手順
  • 手順1
    ワトコオイルを布に染み込ませて木に塗る

  • 手順2
    そのあと新しい布で拭き取る

これだけです。一言でなく二言になってしまいましたがその辺は気にしないでください。

ニスとかラッカースプレーでは失敗するとぐちゃぐちゃになったり変なあとがついたまま固まったりと大惨事になりますが、オイルはその心配がほとんどないです。

拭き取ってしっとり濡れた状態で放置するだけですからね。

もし失敗したと思ってもサンドペーパー(紙やすり)でささっと磨いてもう一回塗ればOK。簡単ですね。

ツヤの少ない自然な仕上がり

ワトコオイルを塗った木材
ワトコオイルを染み込ませた部分は少し色が濃くなる

一般的な木製の家具がツヤツヤなのはニスやラッカーなど「塗膜」を作る塗料を塗ってあるから。つまりコーティングです。

ワトコオイルは木に染み込んで内部で固まるので表面にツヤツヤの膜ができません。その結果パッと見は何も塗っていない自然の木そのもののように見えます。

モンド君
モンド君

上級者ならオイルフィニッシュだな、とわかるけどそんな人は滅多にいないよ

サラサラ、スベスベの極上の手触り

オイルフィニッシュ愛好家が愛してやまないのは独特のしっとりした手触りです。きちんと丁寧に仕上げれば素人でも圧倒的スベスベ感を作ることができます。

失敗のしにくさも相まって、初めてワトコオイルを使った人でも「オレ、プロ級じゃね?」と自画自賛してしまうことでしょう。

モンド君
モンド君

体験者は語る

メンテナンスが簡単

塗装が傷んだ場合、ニスやラッカーは塗り直しをする場合はすべての膜を剥がした上で再塗装をする必要があります。実質的に素人ではムリでしょう。

オイルフィニッシュなら軽くやすりがけをして上から塗ってしまってOKです。重ね塗りをしてもほとんど跡が残らずキレイに仕上げられます。

コバヤシのオイルメンテナンス体験記もよかったら読んでみてください。

ワトコオイルのデメリット

いいところがいっぱいある一方で、ワトコオイルも万能ではありません。デメリットもあわせてご理解くださいませ。

ニスやラッカーに比べて耐水性、防汚性は低い

ニスやラッカーのように膜でコーティングされない分、オイルフィニッシュは水や汚れを防ぐ力はやや弱いです。

水滴がこぼれたくらいですぐに跡になったりはしませんが、放っておくと木の繊維の隙間からだんだんと染み込んでいきます。

  • 重ね塗り・ウエットサンディングを繰り返し仕上げる
  • ワトコオイルが乾いた後、ウッドワックスなどを上塗りする

などの方法でそこそこ強化することはできますが、基本的には濡れたり汚れたりしないように注意しましょう。

↓コバヤシが最近お気にのウッドワックスです。溶剤を使っておらず食器にも使えていい感じです。

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乾くのが遅い

時間のイメージ

空気に触れて固まるオイルといっても、ニスやラッカーのように半日で乾くものではありません。

しっかり使えるようになるまでには2〜3日はかかります。

それでもワトコオイルは早く乾くように改良されていて、普通の植物油(亜麻仁油、えごま油、くるみ油など)が乾くには1週間以上かかります。

オイルフィニッシュは焦らず、気長に。時間に余裕を持って作業しましょう。

独特の匂いがある

ワトコオイルには、主成分の麻仁油と溶剤が混ざった独特の匂いがします。

個人的にはそんなにヤバい匂いじゃないと思いますが、けっこう強いというか、ちょっとの量でも部屋中に広がるような拡散力があります。人によってはかなり気になるという声も…

では、どうすれば良いのか?

結論は、放置。とにかく時が解決してくれるのを待ちます。

時間さえ経てばほぼ完全に匂いは消えますが、とはいえ1週間くらいは気になる匂いを放出しまくり。その後もまったく匂いがなくなるまでは結構な時間がかかります

気持ち悪く感じる人は、ワトコオイルで仕上げたばかりの作品を密閉した部屋に置くのは控えた方がいいでしょう。

黄色くなる

これはデメリットというべきかどうかですが、ワトコオイルの主成分である亜麻仁油は時間が経つと黄色く変色する性質があります。

亜麻仁油は油絵の具にも使われていて、有名なモナリザなどは全体がすっかり黄色くなっていますよね。

現在のモナリザと書かれた当時の色の再現

現在のモナリザと書かれた当時の色の再現

むしろ年月の経った木の味わいがより深まるのでコバヤシ的にはメリットですが、出来上がり直後の色のままではないということだけ計算しておいた方がいいと思います。

バケモンド君
バケモンド君

目安ですが1年くらい経つと、色が変わったなあ…と感じます

オイルフィニッシュでみんなが気になること

オイルフィニッシュについて、ネット上でよく見るみんなの疑問や気になる点についてまとめてみました。

ダイニングテーブルには使える?

テーブルの天板

結論から書くと「ワトコオイルはダイニングテーブルには向いていない」です。

上でも書いた通り、ワトコオイルに限らずオイルフィニッシュは表面に塗膜を作らないため水や汚れの侵入を遮断することはできません。

しかし、「向いていない」だけでダイニングテーブルに使うための対策はいくつか考えられます。

  1. 重ね塗り・ウェットサンディングを徹底する
  2. ウッドワックスを併用する
  3. 一部の特殊なオイル塗料を使う

などです。

①のウェットサンディングは「油研ぎ」とも呼ばれ、オイルで濡れた状態の木材を目の細かい耐水サンドペーパーで磨き、出た細かい削り粉を木の繊維の隙間に埋め込み固めるという作業です。

正しくやれば耐久性は上がりますが、それでも完璧には防げないのと真の初心者にはやや難しいと思います。

②が簡単な対策でおすすめ。オイルが完全に乾いた後でウッドワックスを塗り込めばかなりの度合いで水の侵入を防げます。

オイルだけ、ワックスだけよりも両方使う方が効果は高いです。

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ただし、ワックスは高熱に弱いので沸騰したヤカンなどを直接テーブルにおかないようにしましょう。

また、ワックスを塗ると上からオイルは塗れないのでオイルメンテナンスの時には紙やすりで丁寧にワックスを落とす必要があります。

③は厳密にはオイルとウレタンの混合塗料。見た目はオイルフィニッシュと同等ですが優れた耐久性があります。ただワトコオイルよりも扱いが難しいのでやはり初心者にはおすすめではないかも。

定期的なメンテナンスが必要?

オイルフィニッシュの椅子をメンテナンス

よくオイルフィニッシュの説明では、定期的なメンテナンスが「必要」という風に説明されていますが、個人的には「必要」とまでは言わなくていいと思います。

時間が経つとたしかに保護効果が落ちて表面はカサつくようになりますが、別に無塗装に戻るわけではありません。

汚れやカサつきが気になったりしてメンテナンスしたくなったらすればいいと思います。

モンド君
モンド君

というかオイルに限らずニスでもラッカーでも劣化はします

もちろん、ダイニングテーブルなどで汚れやダメージが多い場合はメンテナンスはこまめにしましょう。

ワトコオイルの上からニスは塗れる?

基本的には「塗れないと思った方がいい」ですし「併用する意味がない」です。

ワトコオイルは固まると樹脂化するので上から水性のニスは弾いて塗れなくなります。

油性のニス塗れなくはないかもですが、しっかり乾燥しなかったり後から剥がれたりと塗装不良を起こす可能性があります。

そもそもニスは下の素材を覆うことになるのでオイルを塗った意味が無くなります。それなら最初からオイルを塗らずにニスを塗りましょう。

着色が目的であれば「オイルステイン」や「ウォーターステイン」を使いましょう。それなら上からニスが塗れます。

オイルフィニッシュとオイルステインの違いがわからん!という人はこちらの記事をどぞ。

ワトコオイルは食器に使える?

盛り付けカッティングボード

これはコバヤシも気になってずーっと調べているのですが、

はっきり言ってよくわからない

です。で、

わからないから、使わない方がいい

という結論に達しています。メーカー自身の声明を探しても、「食器に使えます」とも「使わないでください」とも言っていません。販売店もしかり。

主成分の亜麻仁油は人体に害はないはずですし、有機溶剤に関しても十分に乾燥させれば揮発して無くなります。

ちなみに市販の食器などの塗料にも有機溶剤は普通に使われています。

ただ気になるのが成分中の「無鉛乾燥助剤」です。これの安全性がよくわかりません。

口に入れる食器は安全に直結するので、はっきりと「食品衛生法適合」「食器にも使えます」と断言していないものは使わない方が無難かな、思っています。

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ワトコオイル解説まとめ

長くなってしまいましたが、ワトコオイルによるオイルフィニッシュはデメリットもありますが、それ以上に魅力たっぷりな仕上げになります。

ワトコの特徴をザッとまとめると

ワトコオイルまとめ
  • 初心者でも使いやすい
  • 仕上がりはナチュラル、手触りスベスベ
  • 乾けば安心・安全(でも飲んじゃダメ)
  • 耐水・防汚性はやや弱い(たまにメンテしてあげよう)

こんな感じ。DIYで使われる塗料は数あれど、超初心者でも上質な仕上がりを期待できるものは多くありません。塗装というのはそれほど難しく、失敗が多いです。

せっかく作った木工作品をキレイに仕上げたい人は、是非ともワトコオイルを試してくださいな。

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