こんにちは。コバヤシモンドです。
オイル塗装仕上げの木製家具の魅力は経年変化。
長く使っていくたびに味わいが増していくのですが、定期的なメンテナンスをするといっそう美しい家具に成長します。
実際メンテナンスって難しいんじゃないの…?
と思われるかもしれません。
でも、オイルフィニッシュは塗装の中でも一番手入れがしやすいもの。初心者でも失敗して取り返しのつかなくなるような心配はまずありません。
というわけで今回はワトコオイルを使ってオイルフィニッシュの椅子をリフレッシュしてみました!
今回のメンテナンス対象
普段の簡単なお手入れにはオレンジオイルが良いという記事を書きました。
でも、たまになんかのきっかけでプチ本格メンテナンスをするのもいいと思います。
例えば
今回のケースは二番目ですね
オーク材・オイルフィニッシュのYチェア
長年使っているYチェアのバッタもんリプロダクト・アイテム。
ペーパーコードの座面が緩んで落ち込んできたので、張り替えのついでにボディー全体をオイルフィニッシュし直す事にしました。
ワトコオイルを使用
今回使用するのはオイルフィニッシュ用オイルとしてはもっともメジャーな「ワトコオイル」です。
食用にも使われる亜麻仁油をベースに樹脂・溶剤を加えて浸透性や速乾性を高めたオイルで、DIYヤーからプロ木工家まで広く使われています。
詳しくはDIY初心者にもおすすめの塗装!ワトコオイルの特徴をザーッと解説するよをご覧ください。
DIYで作った無塗装の木製品や床などに使われることが多いですが、メンテナンス用としても非常に使い勝手が良いです。
色は木目を最大限活かせる「ナチュラル」、要するに無色を使用しました。
ちなみにオイルフィニッシュには他の選択肢もあります。ご参考までに。
準備するもの
必要なものはホームセンターで入手できます。
サンドペーパー
サンドペーパーは古いオイルや汚れを削り落すのに使います。もともとオイル塗装のものをメンテするには#240番くらいでいいでしょう。
サンドペーパーは#の数値(番手と言います)が大きくなるほど細かく削れます。
布(ウェス)
布は古くなったTシャツなんかでもOKです。コバヤシは糸くずが出にくいペーパーウェスを好んで使います。
「ウェス」というのは別に特別なものではなく、ただの布という意味です。塗装や拭き取り作業に使う布をそう呼ぶ習慣があります。
ポリエチレン手袋
手袋はオイルから手を保護するためです。
ワトコオイルがついて手が荒れたことはありませんが、独特の匂いが取れづらいので手袋着用をおすすめします。
ゴム製のピッタリとした「オペ用」みたいな手袋はオイルで溶けて穴が空きます。
調理用のポリエチレン手袋を使うといいでしょう。
さらにあると便利、なくても大丈夫なのが
です。
ディスクグラインダーか電動サンダーはやすりがけの工程を楽にしてくれます。ただこのためだけにわざわざ買うまでしなくてもいいと思います。持っていれば便利、という程度です。
木製品用のワックスは仕上がりがよりキレイで木材の保護効果も高まります。オイルフィニッシュの仕上げに使うことをおすすめします。
いろいろ種類はありますが、今回使ったのがこちらです。
サンドペーパーで古い塗装を落とす
まずはサンドペーパーで全体を磨きます。
これは古くなったオイルや汚れを削り落とし、凸凹になった表面を滑らかにして新しいオイルを浸透させやすくするためです。
オイルフィニッシュはニスやラッカーと違って表面を膜でコーティングしているわけではないので、うっすら全体が白くなる程度に削れればOK。
多少古いオイルが残っていても新しいオイルは浸透します。これがオイルフィニッシュのメンテナンスのしやすさです。
電動工具があるとスピーディーに進みます。
全体をまんべんなくサンディングできたら、削り残しがないかチェックします。
これはこれで趣のある姿になりましたが、無塗装では汚れや湿気に無防備すぎるので、やはりオイルフィニッシュの意思は変わりません。
ワトコオイルを塗る
サンディングが終わったら、ワトコオイルを布に含ませて塗っていきます。
オイルの量はべちゃべちゃ手前くらい、たっぷり目に濡らすように塗布します。
オイルの手軽なところはニスやラッカーのように「液だれやムラができないように、均一に塗らなければいけない」という配慮が不要なところです。
多すぎてもあとで拭き取ればいいし、足りなければ後から塗り足しても全然OK。
これなら初心者でも安心ですね。
全体にたっぷり塗れたら、30分ほど放置します。
その後、表面に残ったオイルを拭き取ります。
キレイに拭き取ったら、このまま丸一日待ちます。ワトコオイルは硬化が早いので暖かい日の晴れた日なら次の日には接触可能となります。湿度の多い日は2日以上待ちましょう。
ちなみに、乾燥してもワトコオイル独特の匂いは1週間以上は取れません。コバヤシは気にせず使いますが、気になる人は期間に余裕を持って作業しましょう。
しっかり乾燥したら、もう一度布で拭きあげてオイルメンテナンスの完了です。
仕上げにワックスを塗る
オイルフィニッシュのメンテナンス自体は上の工程で完了なのですが、そのあとはぜひワックスでの仕上げをおすすめします。
>>>ブライワックスだけじゃない!DIY塗装に使えるワックス比較
ワックスとは「蝋」のことで、木材用のものは主に「蜜蝋」「カルナバ蝋」「植物油」などを合成して作られます。成分は商品によって違います。
ワックスを塗ることで、オイルフィニッシュの弱点である防水・防汚性の低さをカバーして、高級感のあるしっとりとしたツヤを与えることができます。
コバヤシの体感では、「オイルだけ」「ワックスだけ」よりも両者を併用することで最大のパフォーマンスが生まれます。まるでコンビを組むために生まれてきたようなお二人です。
今回は食器にも使える、有機溶剤不使用のワックスを使いました。
ワックスは少量でもよく伸びるので、ちょっとずつとって薄く伸ばしながら塗っていきます。
スポンジを使うと塗りやすいです。小指の爪くらいの量をとり、スポンジでなでるように伸ばしていきます。
あらかじめ要所要所にワックスをつけながら伸ばすと効率が良いです。
塗り終わったら布で拭き上げます。ちょっと強めにこするように拭くとキレイな鈍い光沢が出ます。
ニスやラッカーでは出せない、独特のしっとりとした光沢が出ます。手触りもずっと触っていたいくらいにスベスベです。ぜひほっぺたをスリスリしてください。
オイルフィニッシュ+ワックス仕上げの醍醐味です。
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完成
オイルメンテナンス(とペーパーコードの張り替え)を終えたチェアです。
ペーパーコードの交換をした話はこちらをどうぞ
見違えるように凛とした姿になりました。
オイルフィニッシュは木材と外気を遮断しません。そのため木の経年変化をダイレクトに感じることができます。
メンテナンスを繰り返すことで、新品の家具には決して出せない貫禄のようなものが現れてきます。
せっかくオイルフィニッシュの家具を持っているのなら、古くなって捨てるなんてもったいないことです。面倒なんて言わずにたまに手入れをして共に歳を重ねてみてはどうでしょうか。
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