ども。コバヤシモンドです。
貧乏DIYヤーにとって材料選びは死活問題。できるだけ安い材料でカッコよく仕上げたいというのは誰でも思いますよね。
そこで候補にあげるのが針葉樹合板(構造用合板)。
見た目もまあまあ良し、強度しっかり、何より安い!
が、それだけでコイツを選んで泣いた人もまた多いと思います。
表面がめちゃくちゃ荒れているのです。ささくれが酷くてトゲが刺さる刺さる。普通に考えたらとても家具の材料には使えません。
しかし、この表面処理さえ解決すれば針葉樹合板はとっても魅力的な材料となるはず…
というわけで針葉樹合板のささくれを解消する錬金術ならぬ練合板術を模索してみました。
針葉樹合板のささくれを抑えるには「浸透」がポイント
針葉樹合板のささくれの凄まじさは、構造用なので下地処理を行っていないからというだけではありません。
針葉樹合板になるのは主に植林され急成長を促されたスギです。早く成長するぶん密度が低く、繊維が粗くなるのです。
これは木材そのものの問題なので、ヤスリで表面をきれいにしたところで一時しのぎにしかなりません。時間が経てば再びささくれます。どれだけ我々が丁寧にしてやってもコイツらには改心という概念が存在しないのです。
2度とささくれないようにするには表面を滑らかにした上で繊維がささくれないように物理的に固めてやる必要があります。
そのための塗装をするのですが、塗料ならなんでもいいというわけではありません。
DIYでよく使われるのが「ラッカー」や「水性ウレタン」ですが、彼らは表面にごく薄い膜を張るだけなので、木の繊維が内部からめくれ上がってきたらそれを止める力はありません。
内部からめくれるのを防ぐには木の繊維に浸透する必要があります。では、浸透する塗料であるオイルフィニッシュはどうか?
残念ながらオイルフィニッシュでも不十分です。オイルは粘度が低く、浸透してもしっかり繊維を固める力が弱いのです。塗りたては一見成功したかに見えますが、時間が経つとやはりささくれ君は出てきます。
針葉樹合板をまともな材料にするのに必要なのは「浸透力」と「固める能力」の両立なのです。
候補となる塗料
以上を踏まえて、今回使用した塗料はこちらです。
まず浸透性であることが必要なのは先ほど述べた通りです。そして「撥水性」がこの塗料を選ぶ決め手になりました。
撥水性なんてささくれと関係ないんじゃ?
とお思いかもですが、これが関係あるのです。
そもそも木に水が染み込むのは、表面についた水分が木の道管=繊維の隙間に入り込むからなのです。
そして撥水とか防水というのは、その繊維の隙間である道管に水が侵入するのを防ぐということです。
つまり撥水・防水性を売りにしている塗料は
- 表面をガチガチにコーティングして水の侵入を防ぐ
- 浸透して繊維の隙間を埋め水の侵入を防ぐ
のどちらかになります。1の方は外壁用のペンキや2液性ウレタン塗料など。
そして2が木に浸透して樹脂成分などで繊維の隙間を埋め固めるタイプですね。
この【サンデーペイント 油性木部用塗料スプレー】は浸透型なので後者といえます。繊維の隙間を埋め固めるタイプであれば即ちささくれの防止にも効果を発揮するというわけです。
ちなみにAmazonのレビューでは「塗膜が薄い」という低評価レビューがありましたが、この塗料は浸透型なのでそもそも塗膜を形成するタイプではありません。たぶん買う塗料を間違えたのでしょうね。
その他の選択肢
今回使用した【サンデーペイント 油性木部用塗料スプレー】は入手が簡単なのでおすすめしますが、コバヤシの経験する限り他にも針葉樹合板のささくれ防止に効果のある塗料はあります。
しかし、入手ルート・塗る難易度・価格の面からみんなにおすすめできるわけではないので簡単にだけご紹介します。
木固めエース
木材に浸透してカチカチに固めて強化するという塗料です。防水・耐熱性もあります。
重要文化財の保護にも使われているそうな。非常に優秀な塗料ですが、入手方法が限られるのと(送料がかかるのがヤダ)綺麗に仕上げるには慣れが必要、光沢が結構きついということもあり、今回の使用は見送りました。
シェラックニス
はるか昔から使用されている自然塗料。アンティーク家具はだいたいコレが塗られていたりする。
木材への密着度が高く、適度な固さになるのでささくれ防止には効果が高いのですが、品質の高いシェラックニスは日持ちしないため材料を買って自分で作成する必要があります。
個人的にはとっても好きなのですが面倒臭すぎる&マニアックなため今回はボツ。
下地処理と塗装
それでは作業手順の解説です。ちなみに材料の切り分けは終わっている前提です。
針葉樹合板を扱うときは手にトゲが刺さる危険性が高いので軍手を着用しましょう
- STEP1やすりがけ
#80 → #120
- STEP2スプレー1回目
- STEP3乾燥
- STEP4スプレー2回目
表側、側面のみ
- 完成
やすりがけ
まずは必須の下地処理としてサンダーをかけます。手作業でもできますが、範囲が広い場合は地獄を見るので電動サンダーを使うのがおすすめです。
買うまでもないという人はホームセンターで数百円でレンタルできます。マジで手作業だとDIYが嫌いになる恐れがあるのでぜひ。
#80のペーパーののち#120のペーパーをかけました。#240までやろうかと思いましたが心が折れたのでやめます。
「嫌になるくらいなら手を抜く」というのもDIYを楽しむ秘訣です(知らんけど)。
やすりがけの際には必ずゴーグルとマスクをしましょう。針葉樹の鋭い繊維クズは喉や目を傷めます。
スプレー1回目
サンディングが終わったら木粉をしっかりと掃除してスプレー塗装に入ります。色は「とうめい」を選びました。
ちなみに水拭きはNGです。せっかく整えた表面がケバケバに戻ります。
スプレーの上手な塗り方は以前の記事をご参照ください。
この記事はラッカースプレーを例にしていますが、スプレー全般に応用できます。
ちなみに今回は91cm×182cmの合板を切り出したものに、表と側面2回ずつ、裏1回のスプレーでちょうど1缶使い切った感じです。参考までに。
一通り吹いたら放置して乾燥させます。1時間くらいですっかり乾いたように見えましたが、念の為3時間くらい乾燥させました。
冬とか気温の低い日には念のため1日くらいあけた方がいいかも
スプレー2回目
1回塗りでも表面は十分にサラサラ、ささくれ感はほとんどありません。
表と側面は触れる機会が多いので2回目の塗装です。
乾燥するとツヤもなく、オイルを塗った時のように木目が濃くなることもなく見た目は無塗装のようなナチュラルな雰囲気を保っています。
触った感じはベタつきもなくサラッサラ。恐る恐るフチをなでてみてもささくれが引っかかるような感触はありません。嫌な匂いも特になし。
これは結構いい仕上がりになりましたね!
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完成→ささくれ防止は上々♪
今回は24mm厚の針葉樹合板をささくれが出ないように塗装し、棚板にしてみました。
とまあ、約4000円強といったところです。棚板はたくさん作れたので他にも利用したいと思います。
針葉樹合板をなんとか活用したいという方、とりあえず今回のスプレーは使えるのでお試ししてみるといいですよ!
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