今回は、コバヤシの得意の木工テクニックをご紹介です。
いろいろと手を出しては素人に毛の生えたようなレベルで止まるコバヤシですが、DIY木工に関してはボーボーだと自負しております。
この記事では身近なアイテムを使って木材にカッコよく色をつける方法を試してみましょう!
2019年4月追記:この方法は「鉄媒染」と呼ばれているようですね。この記事を書いた当時はこの名前を知らず、文中では勝手にオリジナルな名前をつけています(恥)
一般的な木材の着色法
一般のDIYの指南書では「オイルステイン」「オイルフィニッシュ」「ワックス」などが定番です。
しかし、だいたいひと瓶(缶)1000円くらいはしますし、そもそもそんなに必要ない!という人もいるでしょう。
地域によってはなかなか手に入らなかったり…
さらに木材と塗料の相性によっては仕上がりが不自然でイマイチ…という場合もあります。カンタンに見えて意外とうまく仕上げるのはコツがいるんですよ。。。
ですが、今からお見せする方法ならそんな問題は解決です!
それではやってみましょう!
「鉄媒染」に必要なもの
用意するものはこちらです。
はい!これだけです。近所のドラッグストアや100円ショップでも手に入るものですね。
お酢はコバヤシは「りんご酢」を使っています。別になんでもいいのですが、いろいろ試した結果、りんご酢を使った時の仕上がりが一番コバヤシの好みでした。
ま、大した違いは出ないので家にあるお酢か、安い「穀物酢」とかで構いません。
100円ショップでも穀物酢はあったよ
あ、砂糖とか入っている薄めて飲む用のお酢じゃなくて、純粋なお酢を使ってください。原材料を見ればわかりますよ。
スチールウールとは、鉄の鍋とかを磨くときに使う「ボンスター」とかでいいです。洗剤がついていないタイプを選んでください。
この記事では、プラス
- 紅茶のティーパック
も使ったパターンもご紹介します。
ステイン製作
「ステイン」とは「染める・色付けするもの」のことです。
油性のものはオイルステイン、水性のものはウォーターステインなどと呼びます。
今から作るのはお酢からつくるのでコバヤシは「ビネガーステイン」などと呼ぶことにしました。
2019年4月追記:「鉄媒染」です(恥)
まずは容器にお酢を注ぎ、スチールウールをつけ込みます。
こんな感じです。右側の容器には一緒に紅茶パックを入れています。
はい!いきなりですがこのまま12時間待ちましょう(笑)
待てない人は30分でも多少の効果はありますので、それでやってみてください。コバヤシの写真の仕上がりは12時間まったパターンです。
蒸発を防ぐためにラップをしておきましょう。あと、鉄さびとお酢の混ざったなんともいえない香りがするので、それを封じ込める目的もあります。
では、予定の時間が経ちました。
スチールウールはお酢の酸で溶けてバラバラになりかけていると思います。お酢は鉄分がたっぷり溶けている状態です。
では、スチールウールを取り除きましょう。
別の容器にコーヒーフィルターをかませ、漬け込んだ液をこしていきます。
今回はこのくらいの量でいいでしょう。たくさん使いたい場合は最初にお酢を多めに入れればOKです。
これでビネガーステインの完成です。簡単ですね!
2019年4月追記:「鉄媒染」。
木材に塗ってみよう
では、さっそく木材に塗ってみましょう。塗るのはホームセンターに売っている安いSPF材です。お店によって「ホワイトウッド」などとも呼ばれます。
布にビネガーステインを含ませて、ささっと撫でるように塗ります。
おや?濡れただけで全然かわらないぞ…?
コバヤシィィィィィ! 騙しやがったなァァァァ!!ゴルルァァァァァア!!
と、なる前に少し待ってみてください。ここからがビネガーステインの真骨頂です!
おお!?だんだんと色が変わってきたではありませんか!
実はここが他の着色料との大きな違いです。
オイルステインなどは液に顔料や染料が入っていて、それを木に塗ることで色をつけます。
対してビネガーステインは、木材の色を化学反応で変化させるというものです。
そのため、塗ってから時間差で変色していくことになるのです。
一般的な着色料と比べる利点は以下の二つです。
ちなみに、画像右側の紅茶パックを入れた方ですが、入れない方よりも黒っぽい仕上がりになっています。
紅茶を入れない方が赤茶色で、入れた方が黒っぽいというのは不思議な気もしますが、これも化学反応の効果です。
そこで紅茶を入れることで通常よりもタンニンが多くなり、より濃い色に変化するということです。
では、試しにもともとタンニンが多く含まれるオーク材に塗ってみましょう。
真っ黒になりました(笑)
一応申し上げますが、先に塗ったものと同じ液です。
鉄媒染を応用してみよう
では、さっそく使ってみましょう。
注意することは、「無塗装の木材」でないと効果がないということです。
一般的な木製品は汚れを弾いたり耐久性を高めるために塗装でバリアをしています。それだとさすがのビネガーステインも弾かれてしまいます。
「え〜、そんなのわかんないしぃ」という方は、塗りたいものに水をたらしてみてください。塗装してあるものはふき取れば水が残りませんが、無塗装は水が染み込みます。
あと、無塗装はまったくツヤがありません。
そして、無塗装の木製品が豊富なお店は…
「100円ショップ」です!
もちろん、コスト削減のためでしょうが、DIYにはもってこいです。
そして、今回犠牲になる活用したのがセリアさんの木箱です。
左がステイン後(紅茶なし)、右が無塗装です。
なかなかいい感じじゃないですか!メッセージもより映えるというものですね。
アンティーク感は市販の塗料より断然ホンモノっぽいです。じっさい、経年変化でできる変色を人工的に起こさせてるわけですからね。
家にあるものや、普段使いできる実用品を使って必要な分だけ作れるので、市販品のように余ったものをずっと眠らせておく…なんてこともなくなりますね。
鉄媒染の注意点
いいことづくめに見えるビネガーステインですが、デメリットもあります。
仕上がりのコントロールが難しい
化学反応は気象条件によって進み方が変わるので、同じ分量と時間で作っても、仕上がりが同じになるとは限りません。
なので、まったく同じものを継続的に生産し続けることには向いていません。
また、完全に色が変わるのに数時間かかるので、作業中に仕上がり具合を調整することができません。
ちょっと薄いかな…?と繰り返し塗っていると、気づいたらビターチョコレートみたいな色になってしまう危険があります。
木材によっては効果が薄い
先に書いた通り、タンニンの少ない木材にはあまり効果がありません。DIYに人気のパイン材はタンニンが少なく、少し物足りなくなるかも…
そういう場合は紅茶パックでブーストしてみてください。
完全に乾くまで匂いがエグい
ビネガーステインは酢で鉄分を溶かして作るので、酢と鉄が混ざったエグい匂いがします。
これはもうエグいとしか表現できません。
乾けばまったく問題ないですが、2〜3週間は匂いが飛ぶのを待ったほうがよいでしょう。
木材の保護効果は「ない」
あくまでこの鉄媒染は「着色」の効果のみです。完成品として使用するには「保護効果のある塗装」をする必要があります。
着色法によっては仕上げに使える塗装が限定されることもありますが、鉄媒染はどんな仕上げでもOKです。
初心者には失敗しにくいオイルフィニッシュやワックスなどがおすすめです。
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まとめ:木材着色のバリエーションに加えてみては?
今回のテクニック、けっこう海外メディアなんかではメジャーなようですが、あまり日本人で実際の作業をアップしているのは見かけないのでご紹介してみました。
他の記事に比べてまじめに書いてしまいましたが、「ちょっとDIYやってみようかな」という人の助けになれば幸いです。
またマニアックな木工記事も書いていこうと思うのでよろしくお願いします。
ではでは。
鉄媒染を使った応用編も読んでね
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