コバヤシモンドです。
DIY初心者からプロの木工家まで幅広く使われるブライワックス。コバヤシもよく使っています。
しかし、ブライワックスを使う上で気になるのが「色移り問題」です。
ブライワックスは塗ってから時間が経っても、布でこすると色が移ったりします。洋服についたりすると気になりますよね…
色味は風合いはめちゃくちゃいいだけに、この弱点をどうにかできないものかと考えてみました。
ブライワックスの色移りについて
まだブライワックスを使っていない、という段階の方もいらっしゃると思うので、色移り問題について簡単にご説明します。
そんなにビビるほどではないのですが、用途によっては気になる…という感じです。
布でこすると移ってしまう
![布に移るブライワックスの色](https://kobayashimond.com/wp-content/uploads/2021/01/60CC0C23-8278-4071-8FC6-07CBCF353251-4008-00000194BF1D4905.jpg)
ブライワックスは仕上げに布でゴシゴシこすって余分なワックスを落として完成!なのですが
![モンド君](https://kobayashimond.com/wp-content/uploads/2018/10/mond-e1557462241863.png)
いくらこすっても布が汚れ続けるんですがこれは
となります。なので、適当なところで切り上げて完成とすることになります。
実際、ある程度ふきあげて数日乾燥させれば触った程度で色がついたりはしなくなりますが、布をゴシゴシこすりつけるといつまで経っても色がついてしまいがち。
棚とか窓枠とかに塗装するなら別に気にならないのですが、テーブルやイスなど長時間接触する家具に使う場合には気になります。
ブライワックスはウッドワックスの中でも粘度が低い
![ブライワックス 中身](https://kobayashimond.com/wp-content/uploads/2019/06/IMG_3409-1024x576.jpg)
ブライワックスの成分表の詳細は公表されていないのですが、蜜蝋、亜麻仁油、カルナバ蝋、有機溶剤(トルエン)、顔料などが主成分のはずです。
蜜蝋…英語でビーズワックス。ミツバチが巣の材料として作る分泌物。ペースト状の油脂で昔から塗料として使われてきた。
亜麻仁油…リンシードオイル。食用としても使われる。酸素と結合して固まるので塗料や油絵の具に使われる
カルナバ蝋…ある種のヤシの木から取れるワックス。固体だとガラスのようにカッチカチになるので、塗料に混ぜると固まったあとに丈夫になる。有機溶剤で溶ける。
トルエン…有機溶剤。普通は混ざらない各種成分でも、トルエンに溶かすと混ぜられるようになる。常温で空気に触れると揮発する。
で、ブライワックスは柔らかい蜜蝋と有機溶剤の割合が高いのか、他メーカーのウッドワックスよりも柔らかく、高温で溶けやすいです。
![モンド君](https://kobayashimond.com/wp-content/uploads/2018/10/mond-e1557462241863.png)
気温20℃を超えると液状化します。
そのため非常に塗りやすいのですが、塗った後もそこまで硬くならないのだと思います。それが色移りのしやすさにつながっているのではなかろうかと思います(※ただの推測です)。
乾燥後に触った時のわずかなベタつきも他メーカーより強いように感じます。
色移りを防ぐ方法
とはいえ、ブライワックスの絶妙な色使いと仕上がり感は捨てがたい魅力。どうにかして安心して使えないかと試した結果、効果ありと思えた方法をご紹介します。
徹底的な拭きあげと時間経過
![付かなくなるまで拭きあげたブライワックス](https://kobayashimond.com/wp-content/uploads/2021/01/798A01B1-B037-4B53-9611-A1C6847B0185-4008-0000019494DBBB7B.jpg)
いきなり根性論みたいな話で申し訳ないのですが、ひたすら拭き拭きして磨き上げれば解決しないことはないです。
![モンド君](https://kobayashimond.com/wp-content/uploads/2018/10/mond-e1557462241863.png)
いちおうコツとしては、なるべくきめ細かい布地を使って力強くこすること
こするというか、表面に乗っているワックスを木目に刷り込むようなイメージです。使う布は靴磨きに使うようなネル生地がいい感じでした。
がんばってやると、ワックスを「塗った」というよりは「磨き上げた」みたいな上質なツヤと手触りが手に入ります。
ここまでいけばもう布に色が移ることはありません。
![拭きあげて光沢をましたブライワックス](https://kobayashimond.com/wp-content/uploads/2021/01/162BAA91-521B-4E29-A982-36363ED4CADE-4008-000001949D0A1029.jpg)
上塗りで抑え込む
色移りしやすい原因は、粒子の大きい「顔料」が表面に露出しているからだと思われます。というわけで、上から透明の別の塗料でフタをしてやれば原理的に色移りはなくなります。
別の透明ワックスを上塗り
ある程度ブライワックスが乾いた後に無色透明なワックスを上塗りする方法があります。これならブライワックスのいい感じの色味を活かしながら色移りの心配を軽減できます。
ただしワックスを2種類買わなければいけないというコスト面での負担があります。あと表面のツヤ感も若干変わります(ほとんど気にならないですが)
ニスやラッカーを上塗り
![アスペン ラッカースプレー](https://kobayashimond.com/wp-content/uploads/2020/01/IMG_2419.jpg)
本来ワックスは塗装の中でも一番上に塗る「トップコート」の役割です。なので、正直このやり方は邪道です。
ワックス >> ニスorラッカーorオイル >> ステイン >> 無塗装の木材
ですが、わりかし効果はあります。ポイントは、上塗りに「水性」のニスなどは使用しないこと。ワックスは撥水性が高いので水性塗料は弾かれてしまいます。
透明ラッカースプレーを吹きかけるのがお手軽です。
参考:>>もう失敗しない!ラッカースプレーを上手に塗るための3つのポイント
![バケモンド君](https://kobayashimond.com/wp-content/uploads/2019/07/bakemond.png)
ただ、あくまで邪道なやり方なのでSNSやYoutubeで発信するとネット警察にボコボコにされる可能性があるので注意しましょう。
色移りしにくいワックス
![ターナー アンティークワックスの中身](https://kobayashimond.com/wp-content/uploads/2019/06/IMG_3411-1024x576.jpg)
そもそもの話ですが、ブライワックスじゃなくて色移りしにくい別のワックスを使うという手があります。
コバヤシ的におすすめなのがターナーのアンティークワックス。
かなり固めで塗りにくいのですが、塗膜は非常に丈夫で色移りがしにくくなります。色はちょっと濃いめに着きます。
![色移りしにくいアンティークワックス](https://kobayashimond.com/wp-content/uploads/2021/01/ECC9F770-E1A9-4F57-B3FC-B341640B7270-4008-00000194A37A1E93.jpg)
広い範囲を塗るのは大変ですが仕上がり感は上々でした。ブライワックスのような強烈な溶剤臭もほとんどないので作業もしやすいです。
関連記事:>>ブライワックスだけじゃない!DIY塗装に使えるワックス比較
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ブライワックスの色移り…上手に付き合っていきましょう
![木材用ワックスいろいろ](https://kobayashimond.com/wp-content/uploads/2019/06/IMG_3401-1024x569.jpg)
というわけで、ブライワックスの色移り問題についてのお話でした。
「根本的に解決してねーじゃねーか」と言われたら反論もできないのですが、悩んでいる人にちょっとでも役に立てればと思い書いてみました。
他にもこんな方法があるよー!という人はぜひコメントなどいただければと思います!
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