コバヤシモンドです。
その使いやすさと仕上がりの良さでDIY初心者からプロの木工家まで幅広く愛用されるブライワックス。
メディアなどでも紹介されているのでご存知の方も多いかもしれませんね。
使いやすい塗料とはいえ、予備知識なく使うと色移りや乾燥不良など、よろしくない問題が発生する場合も。
ここではブライワックスの基本的な塗り方と注意点、上手に仕上げるコツをご紹介します!
ブライワックス塗装の準備
「塗るだけ」ならそれこそ布一枚でできる手軽さが魅力のブライワックスですが、ここでは最高にいい仕上がりを目指すための準備をしていきましょう。
準備するもの
スチールウールはブライワックスを塗る道具として使います。理科の実験で使ったあれですね。
適量にちぎりながら使います。
たわしor固めのブラシは、塗った後に余分なワックスを取り除くためのものです。靴用の豚毛とか馬毛のブラシは柔らかすぎるので適しません。
植物性の固い毛のブラシを用意しましょう。というか亀の子たわしでいいです。
ウェスはなんでもいいといえばいいのですが、ネル生地が効果が高くておすすめです。
わずかな起毛があるので、磨き効果が抜群で仕上がりがすこぶるよくなります。
ブライワックスの必要量
ブライワックスは400ml入りの缶で販売されています。
で、これでどのくらい塗れるかというと、公式では4平方メートルとなっています。
つまり2m×2mだね
なのですが…体感的にはもっと塗れているような…。一度に全部塗ったことはないのでわからないのですが、DIY作品に塗るくらいならけっこう保ちます。
床一面とか壁一面を塗るというなら別ですが、とりあえず1缶買っておけば足りなくなることはほとんどありません。
基本的な塗り方と上手に仕上げるコツ
塗装の手順
- 下処理サンディング
#60のサンドペーパー(荒材の場合)
#120のサンドペーパー
#240のサンドペーパー
- ワックス塗布スチールウールで塗布
スチールウールにワックスをつけて強めにこすりつける
- ブラッシングたわしでこする
余分なワックスを払い落とす
- 拭きあげウェスでしっかりとこする
布に色が移らなくなるまでしっかりと拭きあげる
- 乾燥約一日放置
しっかり乾燥させてベタベタがなくなったら完成!
各手順は次項から詳しく解説します。
ワックス塗布から拭きあげまでの工程はなるべく短時間、少なくとも同日中には終わるようにしてください。時間が経つとワックスが固まって作業困難になります。
下地処理:サンディング
ワックスの乗りをよくするため、サンドペーパーで表面を整えます。数字の小さい方から順にかけていきます。手触りがすべすべになったら次へ行きます。
市販されている木材はある程度整っているので、#120からで十分でしょう。荒材の場合は#60くらいからはじめましょう。
ただ、あえてノコギリの跡とか傷を残すのもカッコいいです。その場合は#120からサンディングして大きな窪みとかは無視しましょう。
ブライワックスを塗る
スチールウールを適当な大きさ(5〜6cm)に切り、ブライワックスをすくうようにして付けます。
マックのポテトにケチャップを付ける感じかな
均等に広がるように、木目に沿って塗り広げます。弱い力で塗り広げたら、次は力強くすり込んでいきます。
スチールウールは超細かいヤスリで研磨するような効果があるので、研磨でできた見えないレベルの溝にワックス成分を押し込んでいくようなイメージです。
やっているうちに刷り込みが強いところと弱いところでムラになりがちなので、ときどき離れて見て全体の色のバランスを確認しながら作業するといいですよ。
ブラッシング
全体にワックスを塗ったら、今度はたわしで擦っていきます。この時使うブラシは柔らかすぎると効果がありませんし、逆に金たわしみたいな固いものを使うと塗装ごと剥がしてしまいます。
なので亀の子たわしがちょうど良いのです
ガシガシとランダムに擦るよりも、木目に沿って一方向にさっさっと、とはいえある程度力強くこすります。
グッと毛がたわむように押し付けてから横にシュパッ!と払うようなイメージです。
この作業で余分なワックスを飛ばし、かつ木目に成分を定着させます。ちなみにどこまでやればいいかという基準が目には見えない作業なので、自分頑張ったぜ!って思うくらいで良しとしましょう。
拭きあげ
最後にウェスで拭きあげます。初めは必ずウェスに色移りがありますが、とりあえず気にせず全体をザッと拭きましょう。
で、2度目は入念にゴシゴシと力を入れて拭きます。正直、ブライワックスの場合は全く色移りがなくなるまで仕上げるのはかなり根気がいります。
なので、直接服などがこすれるイスやテーブルならともかく、棚とか壁とかだったらあまり神経質にならずに適当なところで切り上げるのが吉です。
どうしても色移りが我慢ならない!って人は色移りを最小限に抑えるための方法を別記事にまとめたのでそちらもどうぞ
丸1日くらい乾燥させる
ブライワックスは公式には「10〜15分で乾燥します」とは書いてあるものの、やはり溶剤が揮発しきるには時間がかかると思ったほうが良いでしょう。
コバヤシの経験上、きちんと拭きあげたなら気温の低い冬場でも1日おけば使用に支障がないくらいには乾燥します。
ここまでで完成となります。お疲れ様でした!
塗るときに知っておきたいこと
ブライワックスは失敗しにくい上に仕上がりの雰囲気も上々なワックスですが、万能ではありません。気をつけるべきことを一応書いておきます。
撥水性はあるが、耐水性には期待しないこと
ブライワックスは水を弾く「撥水性」があります。ちょっと水がこぼれたくらいでは木材に染み込むのを防いでくれます
とはいえ「耐水性」があるわけではないのでご注意ください。
つまり、一時的には水は弾きますが、時間が経てばちょっとずつ染み込んでしまいます。そうなればシミなどの汚れは避けられません。
また、水拭きもNGです。濡らしたタオルなどでゴシゴシ拭くとワックスが溶け落ちてしまいます。
ブライワックスの撥水性はあくまで一時的に水の侵入を防ぐ程度だと思ってください。
弾いてるから余裕だぜ♪と言わずに水はすぐに拭き取るようにしましょう
ダイニングテーブルなどに使う場合は注意が必要です。定期的にメンテナンスをする前提で使用する覚悟をしましょう。
ブライワックス ウォーターダイについて
ブライワックスシリーズには「ウォーターベース ウッドダイ」という着色料があります。いわゆるステインです。
こちらは発色が素晴らしく、安い木材でもとても雰囲気のあるものに変えてくれるのですがめちゃくちゃ水に弱いです。
まあ、水に溶かした塗料なので当然ですが…
公式にはウォーターダイで着色した後にブライワックスを塗ると耐水性もアップ!とされているのですが、濡れたのを拭くと普通に色落ちします。
ぶっちゃけた話、このウッドダイとブライワックス、あんまり相性がよくない気がします…
ウッドダイの上には普通にニスとかラッカーを塗ったほうが仕上がりがよくなる…とか言うと怒られるのかな?
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基本を押さえたら、オリジナルで工夫するのもアリ!
ブライワックスには少し気をつけるべきポイントはありますが、ここで紹介したやり方を使えば確実に最高の仕上がりになります。
特に2度塗りに関しては、人に頼まれて無塗装の木製ドアをブライワックスで塗ったのですが、仕上がった時にはこっそり持って帰ろうかと思うほどの出来になりました。写真撮っておけばよかった。
また、やり方を自分で工夫するのもありだと思います。
これまた知人ですが、ブライワックスの上からなんとラッカーをひと塗りしていました。イレギュラーな方法ですがとても仕上がり感がよく色移りの心配も解消。数年経っても特に不具合も出ていません。
と言うわけで、普通に塗って楽しい、いろいろ試して楽しいブライワックス。最高の仕上がりを目指してぜひチャレンジしてくださいませ!
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